2011年 9月 19日
　宿に到着時からオナガがいることはわかっていた。　かって、聞き覚えのある鳴き声と姿を見かけていたからだ。

　宿でアカゲラを待っていたときに、不思議に ・・・ 冬支度だろうか ・・・ 先駆けて葉を落としていた同じ木に ・・・ アカゲラより先に、このオナガがやってきたのだ。　アカゲラは採餌のため、オナガは休憩のためと勝手に考える。

オナガの出現率
　 当然、この場所では、アカゲラよりオナガの方が出現率が極めて高い。　ここで、出現率といったが、「ある場所での ・・・ 」 という条件が付くことを忘れてはならない。　京都では、いくら待ってもオナガは現れないだろう。

　彼らには局地性があり、何処にでもいるものではないからだ。　そもそも、いないところに出現率というのは意味がない。　また、冒険家や探検家しか訪れることが出来ないような場所では、出現率というのもあまり意味がない。

　それに、絶対数が多いからといって、出現率が高いとも言えまい。　また、絶対数でいえば、アカゲラの方が多いかも知れない。　・・・ というのも、地球規模でみるにしても、日本に限定するにしても、生息域はオナガよりアカゲラの方がはるかに広いのだ。

　要するに、絶対数の云々では、出現率は語れない。　例え、山中湖畔での両者の絶対数が同じだとしても、「市街地」 と 「山の手」 では出現率は異なるだろう。

　・・・ というのも、オナガでいえば、市街地の方が、山の手よりも出現率が高くなると考える。　それは、彼らの食性が雑食性だから、人里から出る残飯なども採餌対象になるからだ。

　実際に、街中の電線といったところや、屋根の上といったところも厭わず、よく休んでいる姿を見かけたものだった。　要するに、人目に付きやすいところにいることが多いのだ。

　出現率は、「ある場所での ・・・ 」 という条件が付くといったが、もちろん時間帯によっても、大いに異なるであろう。　そこまで言わずとも、私は苦手だが ・・・ 朝夕の時間帯の方が、他の時間帯に比べて高くなろう。

　cf. ツバメの季節感について

　オナガはカラス科であり、そのカラスは 「烏合の衆」 と例えられるように、単独行動をとるようなことはあまりしない。　そのカラスほど集団的ではないが、オナガも塒 ねぐら に帰る頃になると、三々五々姿を現すようになる。

　それは一見、単独行動のように見えても、移動方向や出現間隔から見て、集団行動だとわかるものだ。　アカゲラが一度きりの訪問者とすれば、オナガは次から次へと新顔が現れるものである。

　彼らの飛び方を見ていると、いかにも弱々しい。　彼らの飛翔力は、一気に 1km も 2km も飛べるものではない。　見た感じでは、よく飛んで 100m ほどだろうか。

　渡りをする鳥たちと比べると、オナガの飛翔能力が極めて弱いのも、彼らの生息域が狭いことと無関係ではあるまい。

cf. 雁行 がんこう




★オナガの渡り
★オナガの食べもの
★オナガの名前の由来