旅役者
　普段のご当地では見られなかった小鳥たちが、春と秋の年に 2回やってくるのだ。　それはご贔屓の旅役者の巡業を待ちわびるような気持であろう。

　・・・ といっても、時代は変わって "旅役者" の存在すら知らない人たちも多々いることだろう。　今風に言えば、誰かのライブ公演を待ちわびるような感じになろうか。

　しかし、私が子供の頃は、近所に専門の劇場があったのだ。　それも今は姿を消して久しいのだが ・・・

　確か、～劇場という名前ではなく、～座だったように思う。　旅まわりの一座にとっては、その方が似つかわしいかも知れない。　その正面の入り口の上には、出し物の名場面が描かれた四五枚の看板が掲げられていた。

　そういえば、芝居にしても、映画にしても、こうした手描きの看板をよく目にしたものだった。

　これらは美術館などに展示されたり、保存されたりするものではなく消耗品であったろう。

　その価値に気づく者もなく、最早、この世から消滅してしまったに違いない。　もったいないことである。

　また、そこは映画館にもなっていて、小学校で年に数回ほど、団体でよく連れて行ってくれたものだった。

　またまた、不思議なことに、どうして入ったのか思い出せないのだが ・・・ その旅回りの一座の公演を一度だけ観たことがある。　看板に描かれたとおりの場面があって、感動した記憶が今も鮮明にある。




　嬉しいことに現在でも、メジャーではないにしても ・・・ こうした巡業を続ける人気の一座があるようである。

cf. エゾビタキの渡り
cf. エゾビタキの名前の由来
cf. エゾビタキの学名の意味
cf. エゾビタキの英名の意味