これまで、色んな鳥たちの喧嘩を何度となく見て来たのだが、これほど長時間の、それも空中戦を見たのは初めてのことである。そして、長距離飛行は必要としない留鳥である筈のセグロセキレイにしても、十分にその資質を持っていることがわかった次第であった。
彼らは本気で喧嘩していたのだが、競技飛行を観戦するような気持で観ていられた。それというのも、相手をミサイルで撃ち落とすといったことにはならないことはわかっているからだ。要するに決着は、「テリトリーから追い出すか追い出されるか」によって着くのである。
当初はセグロセキレイ雌もいて、三者が入り乱れて追いかけっこしていたのだった。それが雌が退いて観戦する側に回った後、雄どおしが決着を付けようとしてバトルが始まったのだ。雌が観ているということもあって、お互い、おいそれとは引き下がれない。
|